誰しも家族には長生きして欲しいと思うものですが、親が高齢になってくると、終活事情が気になるものです。
亡くなった後に財産を譲ることを指す言葉「相続
と「遺贈
にはどんな違いがあるのかお話しましょう。
■「相続」と「遺贈」の違いは?
どちらも、亡くなった方の財産を引き継ぐことを意味しますが、親子間で財産を受け継ぐ場合には、「相続」が一般的です。
詳しく違いをみていきましょう。
『相続』
誰かが亡くなれば自然に発生し、法定相続人に資産を移転させる手続きを取ります。
遺言書で“相続させる”ということばを使った場合、範囲は法定相続人に限定され、指定された相続人が単独で手続きを進めることができます。
『遺贈』
遺言書で資産を引き継ぐ人を指定した場合を指し、法定相続人以外の人も対象にできます。
「譲る」「与える」「あげる」など、相続なのか曖昧になる表現を使うと「遺贈」として扱われる事があります。
法定相続人を指定していても、「相続」なのか明確になっていない場合は、資産を売却する時に、他の相続人全員の承諾を得る必要があり、手続きが複雑になります。
法定相続人に財産を譲りたいと考えているなら、遺言を残し、登記の地番と同じ記載方法で、“○○に相続させる”と明記しておくと、揉め事が起こりにくくなります。
■「相続」と「生前贈与」
資産をスムーズに引き継ぐには、生前贈与の利用を検討しても良いでしょう。
「相続」は、亡くなってから資産を譲りますが、「生前贈与」なら、元気なうちに所有者の変更を確実に行えます。
遺産分割協議が難航しそうな場合には、あらかじめ生前贈与で資産を譲っておけば安心です。
親が65歳以上、贈与される子ども(または孫)が20歳以上の場合、相続時精算課税制度が利用できます。
2500万円までの贈与税が非課税となり、超えた部分には20%の贈与税が掛かり、相続のときに相続税としてまとめて精算するイメージです。
収益物件や、値上がりが予想される物件を譲りたいときには、オトクになるでしょう。
■資産をスムーズにロス無く譲りたい…
持ち家などの不動産を売却する場合、持ち主が亡くなっていると、遺産分割協議が終わっていて、相続登記ができていることがスムーズな売却につながります。
<資産をスムーズに引き継ぐポイント>
・遺言書で相続させる内容と相手を明記する
・生前贈与で確実に受け継がせる
突然の他界では、売却したくても、普段音信不通の親類にまで承諾書をお願いしなければならないなど、残された家族が大変な思いをするケースがあります。
どんな方法で資産を受け継がせるか、普段から考えておくことが大切です。
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