実家の親が突然倒れてしまったなど、持ち家を売却して介護費用にあてたい事情がある時、子どもが代わりに売ることは出来るのでしょうか?また、障害が残っている場合、何か控除はあるのかなどについて紹介しましょう。
■意思能力があるのかが重要
① 認知症の症状が進んできた
② 脳梗塞で倒れ、麻痺が残っている
高齢になってくると、こんな状況になるかもしれないと不安に思う家族は少なくありません。
持ち家を売却して、「介護費用にあてたい」、「施設への入居費用にあてたい」と考えるのは自然なことでしょう。
所有者本人が売買契約を結ぶには、意思能力があるかがポイントになります。
①のように認知症発症の場合は、家庭裁判所に成年後見人を申請し、手続きをすすめることになります。
②のケースでは、意志能力が認められれば、介助を受けての売買契約締結がみとめられますが、脳へのダメージが大きく意思能力が不十分だと、成年後見人制度を使った手続きになるでしょう。
成年後見人制度では、「財産が本人のために使われるのか」をポイントに判断されます。
子どもが申し立てを行っても、認められない場合があります。
家を売却しなくても介護費用をまかなえる、本人のためではなく周囲の都合が優先されている場合などです。
■持ち家売却の所得税に控除はある?
不動産の売却で収益があれば、所得税がかかります。
障害者の場合、障害者控除として27万円(特別障害者のときは40万円)が控除されます。
(参考)障害者と税
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm
また、住宅を売却した場合には、3000万円まで控除ができる特例があります。
売却額が控除内の場合には、売却しても所得税がかからないケースがあるということです。
この特例では、相続後の空き家を3年以内に売却した場合にも3000万円の控除が受けられることが盛り込まれています。
(参考)No.3302 マイホームを売ったときの特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm
■いつ売却を決めるべきか
<意思能力があれば手続きがシンプル>
突然、倒れてしまって慌てることもあるでしょう。元気なうちに、ご本人の意志を確認しておきたいものです。存命中の売却が必要なら、認知症などで意思能力を失う前に考えておきたい問題です。
<3000万控除が使えれば相続後でも>
相続してからの売却でも、条件が揃っていれば、3000万円の控除が受けられます。療養費に充てるなど、ご本人の役に立てるための活用度は下がるものの、相続を終えたあと、3年の猶予が持てます。
どのタイミングで売却を検討すべきなのは、それぞれの条件によって細かく変わってきます。
詳しい不動産業者や、弁護士などに相談してみましょう。
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