“空き家問題”がニュースでも取り上げられるようになり、平成27年には“空き家特措法”が施行されました。活用できないまま放置していると劣化が進み、責任を問われてしまうかもしれません。空き家の劣化対策についてお話しましょう。
■人が住まないと家は劣化していく
住宅は、人が暮らしていると適度に換気がおこなわれ、害虫・害獣の棲みつきも起こりにくくなります。
建物周辺の雑草についても、生い茂らないように管理することで劣化を防ぐ事ができます。
空き家を放置していると、建物内に湿気がたまり、カビや腐食が起こりやすくなります。
また、シロアリの発生が起これば、みるみる木造部分が劣化していきます。
建物の劣化が進めば、価値は下がり、売りたくても希望の価格では売れなくなってしまうでしょう。
それ以上に心配されるのは、近隣住宅に被害を及ぼした時の賠償問題です。
・壁が剥がれたり、瓦が落ちたりして通行人に怪我をさせる
・庭の老木が隣家に駐車中の車に倒れる
・溜まった郵便物に放火される
・漏電が原因の出火
・害虫・害獣の巣窟となって近所に広がる
台風や大雨にあったあと、すぐにチェックができれば補修して劣化をくいとめる事ができますが、そのまま数週間がすぎれば、ひび割れから水が浸透する、ちょっとした雨漏りから天井裏がブヨブヨになって落ちるといった事態になります。
■劣化させずに管理する方法は?
<月に1度くらいは様子を見に行く>
空き家のまま劣化させずに管理するには、様子を見に行き、空気を入れ換え、庭先の雑草とり、そうじなどを行う必要があります。
特に、台風や大雨のあとは、ひび割れや雨漏りのあとがないか、ガラスがわれたり壁や瓦が飛んだりしていないかチェックしなければいけません。
<管理会社に頼む>
住んでいるところと離れたところに空き家を持っている場合には、毎月以上の訪問はかなりの負担になります。
せっかくの休日が、毎回、空き家の管理業務…というのも大変ですし、交通費だけで旅行並みになってしまうほど遠い場合は難しいものです。
管理会社に依頼すると5,000円~15,000円程度で様子を見て報告してもらえ、契約によっては空気の入れ換えなどにも対応してもらえます。
■賃貸活用や売却という選択肢
相続で引き継いだ実家など、愛着から手放し難いケースもありますが、空き家のまま管理を続けるには限界があります。
また、築年数が経った家の場合には、リフォームが必要になります。
賃貸活用や売却した場合について、不動産屋に相談して、空き家をこのまま管理するのか考えたほうが良いのではないでしょうか。
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