相続ではプラスの財産だけでなく、債務も同時に引き継ぐ事になります。債務が大きくなる場合には、どう対処するのがベストなのでしょう?相続に債務があると気づいた時にどうすべきか、お話しましょう。
■相続と債務について知っておきたいこと
<債務があるか調べる方法>
・1~2ヶ月請求書が来るのを待つ
・通帳の引き落としなど支払い状況をチェックし、払い残しを問い合わせる
・信用調査機関にローン状況を問い合わせる
・事業主など顧問税理士がいれば連絡をとり相談する
相続はプラスの財産と債務を同時に引き継ぐので、相続を決めるときには、債務の状況をよく調べる必要があります。
<債務の扱いは債権者と協議して承認を得る>
プラスマイナスを精算して、わずかでもプラスになるなら良いですが、中には、負債が残り、支払いの責任を負わなければならないケースがあります。
この時、法定相続人の分割割合に従って負債も振り分けられます。
相続人の間で協議の上、振り分けをする場合、債権者の承認を得る必要があります。
■相続放棄は良く考えて
相続を放棄することが可能ですが、家庭裁判所に放棄の申し立てを行い、相続開始から3ヶ月以内に手続きをしなければなりません。
また、相続を放棄した財産の中に、管理責任を問われるようなものが含まれているときは要注意です。
民法940条の条文には…
“相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。”
…という記載があります。家屋の相続を、負債を引き継ぎたくないという理由で放棄したとします。
その後、一向に相続人が決まらなかった場合、相続を放棄したにも関わらず、管理責任を負ったままの立場でいることになります。
■相続人全員で決定が必要な場面が多い
負債を含む相続で、家をどうしても残したい、家業のための資産を受け継ぎたい等の場合に、限定承認の制度を利用してプラスを超えない範囲の負債を一緒に引き継ぐ方法があります。
この場合、相続人全員が共同で申請しなければなりません。
また、遺言がない場合には、相続人全員で相続財産の分割の協議、合意のうえ、遺産分割協議書を作成しなければなりません。
不動産についても共有名義で売却するのか、代表名義で売却後分配するか検討しなければなりません。
手続き上、売却のタイミングをはかることも必要ですし、不動産業者を通じて売却するなら、相続絡みの案件に慣れた業者に相談してみましょう。
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