相続で家を引き継いだけれど、住むことができないまま所有しているというケースが増えています。しかし、いつ住めるのかメドの立たないままでは、固定資産税や維持管理の負担を感じてくるものです。空き家と固定資産税についてお話しましょう。
■固定資産税はどれくらいかかる?
固定資産税は、固定資産評価額をもとに計算され、納税通知書では、都市計画税も併せて請求されます。
・固定資産税は、課税標準額に税率1.4%を乗じて計算。
・都市計画税は、課税標準額に税率0.3%を乗じて計算。
固定資産税は、住宅として利用されている土地建物に対して特例措置があります。
・1戸につき200㎡以下の住居用地部分(小規模住宅用地)⇒課税標準額 × 6分の1× 1.4%
・1戸につき200㎡以上の住居用地部分(一般住宅用地)⇒課税標準額 × 3分の1× 1.4%
(参考)東京主税局 固定資産税について
例えば固定資産評価額800万円の住宅用地だとすると、11.2万円のところ、小規模住宅用地の要件にあてはまれば、6分の1の1.86万円となります。
■空家対策特別措置法で固定資産税が6倍に!
固定資産税の計算方法をおさらいしてきましたが、小規模住宅用地として認められることで、更地の6分の1の納税額になっていたことがお判りでしょう。
更地にすると小規模住宅用地として認められなくなるので、取り壊しせず現状維持を保っている家が多かったのです。
平成27年5月26日、空き家対策特別措置法が完全施行されました。
この法律によって、『特定空き家』に認定された場合、住居建物があっても、小規模住宅用地の特例が認められなくなります。
場合によっては、固定資産税額が6倍になるというのは、こうした理由からです。
老朽化が進み、管理状態の悪い空き家は、『特定空き家』に指定され、固定資産税が高騰する恐れがあります。
■空き家の売却は早い方が良い
相続しても住むことができずに空き家にしておく場合、管理の問題も出てきます。
一戸建ての場合には、周辺の雑草の処理が必要ですし、掃除や作業のことを考えて、水道や電気を止めていなければ基本料がかかってきます。
とりあえず保存しておくという方もいらっしゃいますが、時間がたつほど、建物の価値は下がっていきます。
管理しきれなくなって特定空き家になってからでは、売りたくても売れない、売れても買いたたかれるといった心配があります。
幸い、ストック住宅の活用が国策として進められている中ですから、地元の中古物件を扱うのが得意な不動産業者なら、高価買取してくれるかもしれません。
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