相続税を左右する「小規模宅地の特例」の同居親族の範囲は?

相続で家を引継いだ時に相続税がかかるのでは?と心配される方も多いと思います。
そこで今回は「特定居住用宅地等」という「小規模宅地等の特例」の1つをご紹介します。

この特例が適用されると、相続税が大きく違ってきますので重要な論点となる
「同居」について確認しておきましょう。

■小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例には、特定事業用宅地等や特定同族会社事業用宅地等、さらに貸付事
業用宅地等など種類が色々あります。特定居住用宅地等もこの複数ある種類の中も1つな
のですが、被相続人(亡くなった方)が住んでいた家の敷地について、一定額減額しても
良いという特例です。なお、宅地だけでなく、借地権などの権利も対象です。

■特例が適用されるための要件

まずこの特例は、被相続人が住んでいた家の敷地であることが適用の大前提です。さらに
その敷地(宅地)を相続する人が、被相続人の配偶者、被相続人の同居親族、家なき子親
族(被相続人に配偶者や同居親族がいない場合など)であることも必要です。

ただしここで問題となるのが、同居親族に該当する人がどのような人を指すのかという
ことです。

・同居親族の定義は?

税法では「同居」について定義は明確にされておらず、法令解釈通達上の「同居親族」を
確認すると、亡くなる直前に亡くなった人と同じ家で起居していた(日常生活を共にして
いた)人といった漠然とした記載があります。これではどこまでが同居になるのか、判断
ができないというケースも出てきてしまいます。

・過去の判例などで確認すると?

過去の裁決事例等で確認すると、亡くなった人と同居していたかについては、親族の日常
の生活状況、家への入居目的、家の構造や設備、親族の生活拠点となる他の建物保有の有
無など、色々なことを総合的にみて同居か非同居か判断することになるようです。

■同居親族かどうかの判断は実態で行われる

例えば被相続人とその息子家族が同居しており、相続人である被相続人の息子は単身赴任
で別に住んでいたというケースでは同居親族とみなされるでしょうが、別に生活拠点があ
るのに被相続人が亡くなる前の介護を目的として一時的に同居していただけでは同居親族
とはみなされません。

また、住民票だけを移していたとしてもやはり同居親族とはみなされないのは、同居とい
う判断が住民票ではなく実態で行われるからです。

■相続税を大きく左右する特例なので確認を!

特定居住用宅地等の減額割合は330㎡まで80%です。仮に300㎡が1億円の宅地の場合、
要件を満たすことにより評価が2,000万円となるのでかなり大きく減額可能です。相続税
額を大きく左右する重要な特例ですので、このような点も踏まえた上で特例が適用される
か確認しておくと良いでしょう。

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